先日、株式会社奏音の森川先生とオンライン配信の対談をさせて頂きました。
奏音のホームページでも紹介頂いています。
子供たちは小学生の時から高校卒業まで奏音グループのデイサービスにお世話になっていました。奏音との出会いは10年前です。
字を書くのが困難だった長男に「感覚統合を受けさせたい!」といろんな人に話していたら、知人が「広島にも感覚統合のデイサービスができてるよ!」と教えてくれたのです。
森川先生との対談の序盤、森川先生の「ご自身が診断を受けられた時の気持ちは?」との問いかけに思わずウルウルっと涙が出そうになってしまいました。緊張していたのもあるのですが、改めて言葉にしようすると忘れていた昔の記憶がよみがえってしまいました。
私は「ホッとしたんです。」と答えました。
でもこれだけじゃ、子育てに悩んでいたり不安を抱いているかもしれない保護者の方に真意が伝わらないかもと思いました。
それで当時の私の気持ちを少しお話しました。本当に何をやってもうまくいかなくて頑張っても頑張っても裏目に出る事ばかり、つらくて悲しくて自分なんて生きていても良いのだろうか?と絶望していてどうしようもない状態でした。
それまで自分が発達障害かもしれないという前提での努力はしたことがありませんでした。だから、私にとっての診断は「まだまだ、私の知らない方法があるはず。まだ何か努力できることがあるはず!」と希望につながる大きな出来事だったのです。
その当時、診断を受けて間もないころの私を支えてくれた本があります。
それは、この本。
「あなたがあなたであるために」(中央法規)です。児童精神科医の吉田友子先生が書かれた本でイギリスの精神科医ローナ・ウイング先生の監修です。診断を受けた時期にこの本に出会えたことは本当に幸せだったと思います。
吉田友子先生は脳のタイプが「多数派」と違う「少数派」というとらえ方をされています。決して「間違った存在ではない」のだというメッセージが心に沁みます。この本の中で特に心に残っている部分を紹介させて頂きますね。
この本を読んで「私は努力の方向音痴だっただけ、努力の方法や方向性が間違っていたのならば、これからは自分に合ったやり方を探していけば良いのだ」と思えました。
子どもの頃からたくさんのつらい経験をしてきましたが、幼いころの私にかかわっていた大人、親も先生も「違い」を知らなかっただけ、私も「違い」を知らなかっただけ、誰のせいでもなかったのだと思えました。診断後もいろいろな経験をしましたが、その積み重ねの中で過去にかかわった親や先生や社会への怒りや恨みを消すことができたのは本当に有難い事だと思います。
※DMS‐Ⅳ(アメリカ精神医学会診断・統計マニュアル第4版)では「広汎性発達障害」というカテゴリーに、自閉症・アスペルガー症候群・特定不能の発達障害をまとていましたが、2013年にDSM-5(アメリカ精神医学会診断・統計マニュアル第5版)は、これらを全て自閉症スペクトラム障害(ASD)という1つカテゴリーにしました。スペクトラムとは連続体という意味です。自閉症やアスペルガー症候群はハッキリした境界線を引けない連続体の中に含まれるという考え方のようです。また、DSM-5でもICD-11(国際疾病分類第11版)でも、神経発達障害という新しいグループが作られ、そこにASD(自閉スペクトラム障害)やADHDが入りました。
コメント
ご自身の色んな気持ちの振り返り、是非聞かせて下さい!
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cocoさま
はじめまして。
いろいろ振り返って綴っていきたいと思います。
よろしくお願いします。