失敗が苦手?失敗しても大丈夫!発達障害の子どものくじけない心を育むには

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Johnny GutierrezによるPixabayからの画像

先日、Twitterで「失敗」について少しつぶやいた。私はTwitterで議論をするのが苦手だ。140文字の文から相手の言いたいことを正しく読み取る自信もないし、自分の言いたいことを140文字で伝わる文章にする自信もないので、思うところをブログに残しておきたい。

 失敗を極端におそれる発達障害のお子さんは多いのではないだろうか。「0か100か」という二分割思考のせいで失敗を恐れるのかもしれないと私は考えている(素人の一保護者の意見です)。

発達障害の子どもは曖昧なことが理解しにくい傾向があるといわれている。それが「白か黒か」「0か100か」「善か悪か」という極端な思考につながるのかもしれない(素人の一保護者の意見です)。

 わが家の兄弟が幼いころ、私はいつもイライラしていて本当に些細な失敗(お水をこぼしたとか、物をおとしたとか)で叱りつけていた。後から考えると失敗しても当たり前のようなことで、子どもたちに申し訳なく思う。

そんな私の不適切な接し方が子どもたちの「0か100か」の思考を強化させてしまったのかもしれない。彼らはだんだんチャレンジすることを避けるようになった。保育園や小学校の行事を嫌がっていた原因は「いつもと違うのがイヤ」だけでなく「失敗が怖い」もあったのではないかと思う。

 親子ともども発達障害の診断を受けてからいろんな本を読んだ。発達障害のことだけでなく一般的な子育ての本も読んだ。発達障害に限定しなかったのは良かったと思う。

私は、そもそも子育てに自信がなかった。私の父親はおそらく発達障害だったと思う。その父親に母親は愛想をつかして出て行ってしまった。ほんの数年、祖母が田舎から出てきて一緒に暮らしてくれたが、その祖母は自分の息子(私の父親)の無能っぷりに「育て方を間違えた」と嘆いて田舎に戻ってしまった。私は、生育環境と発達障害の認知の偏りで「親とは?」「子育てとは?」がまったくわからないまま親になった。

 話を元に戻そう。私が子育てで最も参考にしたのはアサーションの視点で書かれた本だ。

「子どものための自分の気持ちが〈言える〉技術」(PHP・平井典子)

アサーションとは、お互いを大切にしながら素直にコミュニケーションするための考え方と方法だ。見開きで1テーマ、わかりやすいイラストで活字が苦手な方にも読みやすいと思う。タイトルに「子どものための」とあるが子ども向けではない。子どもが自分の気持ちを言えるような親子関係を築くための指針になる内容だった。発達障害であろうとなかろうと子育ての根本的なところ、大事なことは同じだと思った。

ハッキリ言って私の子育てはこの本のパクリかもしれない、いやかなりパクっている。これはちょっと違うかな?と思うところもあった。そこは自分の考えや価値観と折り合いをつけたりした。しかし、基本的には「あなたもOK、私もOK」という自他尊重の考え方は、子育てにとても大事なことだと思った。

子どものための自分の気持ちが〈言える〉技術 小さいうちに身につければ、一生困らない!/平木典子

 失敗についての文章を一部引用する。

◎もう一度やればできる

 子どもの失敗は生死にかかわるような大事でない限り、「失敗は絶対にダメ」と教えてしまわないように気をつけたいものです。

 できたこと、できないことを「○×」をつけて接していると、子どもは×(罰)をもらわないようにと、何もせず、またできなくなります。

 失敗したときは、完璧でなくてもよく、もう一度やれば、よりよくできるようになることを伝えてください。そして、その方法を教え、手伝い、変化を認め、ほめましょう。

 この本は発達障害向けのものではない。定型発達の子どもでも、幼いころから「失敗は絶対にダメ」だけを刷り込まれ、失敗に対して「気をつけなさい!」とか「何度も同じことを!」と叱責を受け、具体的に「何をどう気をつけたら同じ失敗を繰り返さずに済むのか」を一緒に考えてくれる人がいなければ、失敗を避けるために何もしなくなってしまうのだ。

そこに発達障害の極端な思考「0か100か」が加わるとますます「失敗は悪いこと」ととらえてしまうだろう。「失敗しても大丈夫」と励ましてくれる大人がいれば子どもは安心して失敗できるし、その失敗を学ぶチャンスに変えられる。私は、失敗を乗り越える経験は成功体験だと思っている。

 小学生の時の音楽朝会や合唱祭などでも「失敗したらどうしよう」と不安定になることがあった。そんなときに言ってきかせた。

 プロの歌手でも音楽家でも失敗することがある。でも、そこでやめずに最後まで続ける。前にテレビで見たけど、歌詞を間違えても最後まで歌い続けたよ。プロでも失敗することはあるんだから、小学生が失敗しても当たり前。

良い方法を教えてあげる。先生には内緒。歌詞をわすれたら思い出すまで口だけパクパク動かして歌っているフリをすればいい。リコーダーを吹いている時も音を出さずに指を適当に動かして、わかるところから吹けばいい。間違った音で吹いたら周りのお友達も困るから、どうしてもわからない時はマネしていたら大丈夫。

学校の先生には叱られるかもしれないが、うちの兄弟は「失敗したら、忘れてしまったら、こうしよう」の対策があることで不安を解消して本番に挑めた。

わが子は2人とも不登校の経験がある。他にもいろいろあるが思い出せるところだと、次男は何度かパソコンを壊しそうになった。いや壊したこともあった。中学受験は不合格になった。長男もパトカーで連れていかれたことがある。2人とも大学進学までにたくさんの失敗や挫折を経験してきた。

子どもが思春期に入るころには私も肝が据わってきて、本人たちの選択をできる限り尊重した結果が、どんなに最悪の事態でも親が後始末をしてやれる間なら何とかなるだろうと。

2人が大学に進学し県外で一人暮らしを始めてからも、いろいろな失敗しているようだ。長男は1年生の後期の履修登録で大ポカしてしまい半泣きで教務の先生のところへ駆け込んだらしい。次男もそれなりにやらかしているようだが何とかやっている。

 子どもが自分の失敗を乗り越える力、その土台になるところはほったらかしでも勝手に育つものではないと思う。

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